元銀行員エビエビのエビノート

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後悔しない住宅ローン(変動金利と元利均等返済)

「後悔しない住宅ローン」シリーズ第4弾。今回は「変動金利と元利均等返済」についてです。変動金利と元利均等返済について、簡単に復習しておきましょう。

変動金利…金利タイプの1つで、借入後、半年に1回、金利の見直しがされるもの(⇔固定金利)

元利均等返済…返済方法の1つで、毎月の支払額【①元金+②利息】が定額になるように返済していくもの(⇔元金均等返済)

詳しくは以前の記事をご覧いただければと思います。

www.ebi-ebi-note.info

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今回は、これらの金利タイプ2種と返済方法2種の組み合わせのうち、近年最も選択する人が多い【変動金利+元利均等返済】について、解説していきたいと思います。

1.なぜ【変動金利+元利均等返済】の組み合わせが多いのか

近年は、変動金利を選択する方の割合が6割強、と人気を集めています。そして、変動金利を選択した方のほぼすべての方が元利均等返済を選択しています。なぜ、この組み合わせが多いのか、順に見ていきましょう。

1)銀行が勧めてくる

銀行は金利リスクを背負いたくないため、変動金利で貸す方が望ましく、基本的には変動金利を勧め、元利均等返済の方が利息を多く取れるため元利均等返済を勧めてきます

2)広告の返済例が変動金利

マンションの広告などで、「月々○○円~」というような表記を見たことがあると思いますが、あれは現在支払ってる家賃と比較させるために、もっとも月々の返済額が少なく見える、【変動金利+元利均等返済】の組み合わせでのシミュレーションが載せてあります。蛇足ですが、ひどい広告だとボーナス増額返済を前提とした広告まであります。

3)見た目の金利が低い

変動金利は固定金利よりも金利が低く、今後の金利上昇が限定的と判断したうえで、変動金利を選択する人も多いです。

4)5年ルールと125%ルールがある

これは変動金利を選択した人が元利均等返済を選択する理由になりますが、【変動金利+元利均等返済】の組み合わせにはこの特別ルールがあります。この2つのルールについて、解説していきます。

 2.【5年ルール】と【125%ルール】

1)5年ルール

変動金利の場合、年に2回、金利の見直しが行われますが、金利が変動したとしても、毎月の支払額は5年間、変わらないルールです。

これは、金利が急上昇して、返済できなくなってしまうことを回避するための、債務者(借りる人)のためのルールと紹介されていますが、あくまでも月々の支払額が変わらないだけで、仮に金利上昇したとしたら、上昇分が後ろ倒しになるだけで、免除されるわけではありません。

2)125%ルール

これも5年ルールと同じ狙いを持つルールです。金利が急上昇したとしても、月々の返済額はもともとの返済額の125%を上限とするルールです。但し、こちらも125%を超えた部分が免除されるわけではなく、後ろ倒しになるだけです。

このように、いずれのルールも金利上昇の負担を軽くするものではありませんが、支払額が急増するリスクがある程度抑えられるため、変動金利を選択した方の多くが元利均等返済を選択しています。

総括

【変動金利+元利均等返済】というローンの組み方について書きましたが、決してこれが悪いと言っているわけではありません。ただ、上述のとおり、【変動金利+元利均等返済】に流れていく要素が多いので、“なんとなく”ローンを組もうとしていると、必然的に【変動金利+元利均等返済】に行き着くことが多いと思います。後悔しないためには、自分の物差しで選択できることが重要だと思います。